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身体と同じに心も重なる。
ベッドの軋みが優雅なリズムを刻み、龍一の鼓動が美百合と同じ音を刻む。
黒ヒョウの腕に抱かれて、美百合は淫らなネコになる。
「美百合……、声でかい……」
イジワルな忠告も、まったく意味をなさない龍一の甘い責め苦に、美百合はあえぐように唇を開閉する。
それを『求め』と受け取ったのか、龍一の大きな左手が、ご褒美のように美百合に与えられた。
夢中で手と口で捕まえて、ネコジャラシにじゃれるように絡みついた。
龍一の冷たい手のひらと指は、やさしく美百合の唇の形をたどる。
そんな指とは裏腹に、身体はあっという間に絶頂に連れて行かれて、そのままそこで待っていろと言わんばかりに、続けざまに責めたてられる。
美百合はたまらず、龍一の左手に爪と牙とを突きたてた。
だけど、龍一は余裕しゃくしゃくな様子で、残ったもうひとつの手のひらで、そっと美百合の頭を撫でるのだ。
――。
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