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Thu.
にゃおん、と腰砕け……、
違った、骨抜きにされたけれど、美百合は、朝になるとちゃんとカフェに出勤した。
あわよくば龍一に会えるのではないかと、期待してバイトに訪れたのだが、さすがに今日は、その姿を見ることは出来なかった。
まあ、美百合お得意のテーブル花も、情報ペーパーも用意出来なかったことは、龍一も重々承知しているだろうから、店に来る意味がないと言えば意味はない。
だけどここで、
「美百合の顔を見に来たんだ」
なんて言って、尋ねてきてくれたら、美百合はもう何だってしちゃうのに。
といささか膨れながら、他に読む者がいない地方紙をラックに片付けた。
「そういえばデートはどうだったの?」
昨日の無断欠勤については、あえて触れないでいてくれるやさしいオーナーに、美百合は見事なVサインを向けてあでやかに微笑んだ。
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