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「待って待って、待って待って!」
美百合はあふれてくる涙を隠さずに懇願する。
すると龍一は、深く傷ついたような顔をして、美百合を見おろしてきた。
そんな風に見られると、美百合の心臓はドクンと跳ね上がる。
違う!
こんな顔をさせたいわけじゃない!
「……こんな場所じゃ、……ヤダ」
ふさわしい言葉を捜しても見つからず、結局、龍一をこれ以上、傷つけないだろう言葉を選んで口にする。
龍一のことをまっすぐに見られなくて、思わず目を伏せた。
龍一は、さらうような勢いでベッドまで美百合を運ぶと、そのまま乱暴に押し倒した。
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