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昨日とは違った性急さで、龍一は美百合の衣服をはぎとり、脱がすそばから、指と唇とで喰い散らかしていく。
手を洗って欲しいとか、電気を消して欲しいとか、そんなことはもう言い出せなかった。
龍一が美百合の上で身動きするたびに、龍一の髪から火薬の臭いが踊り立つ気がして、美百合の身体は自然に強張ってしまう。
でもキスは、今はもう微笑ましくさえ思い出せる、トマトソースの味だ。
それだけに記憶を重ねて、ねだるように舌を絡めていく。
すると、美百合の望みを敏感に感じ取ったらしい龍一は、何度も何度も求めたものをくれた。
時には激しく、時にはついばむようにやさしく……。
そうやってキスを受け続けていると、ようやく美百合の身体が素直に龍一の愛撫に応え始めた。
だけど心が追いつかない。
怖い……、気持ちいい。
怖い、気持ちいい……。
相反する感情が美百合の頭をぐるぐる回り、それは気が狂いそうな葛藤と陶酔が折り重なる時間となった。
でも龍一は、そんなややこしい思考など、指と舌だけで綺麗に失わさせて、美百合が思わず陶酔の海に溺れてしまったその時に、一気に中にはいってきた。
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