Fri.

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たとえどんなことがあったとしても、夜は明け、朝は来る。 一時は殺されるんじゃないかと、心の底から震え上がったり、 殺し屋と一緒に裏社会を歩く覚悟を決めたり、 映画の登場人物になってしまったのかと錯覚したりした夜だけれど。 だけどそんな非日常的なことに晒されたあとは、無理やりにでも日常生活に戻るに限る。 環境が人を作る。 だから好まない環境に自分が振り回されたらダメだ。 美百合は、我儘で無鉄砲な自分が気にいっている。 「うひゃおぉぉ!」 なんて奇声をあげて騒いでいる方が自分らしいと思っている。 だから意識して、いつも通りの日常を送った。 朝は早朝シフトのバイトに入り、モーニングを食べにこない空の席を、ちょっと寂しく見つめて、地方紙をラックに片付ける。 どんな過酷なバイトを入れてでも、通いたかった芸術分野を学べる大学で、自分の想像力を思う存分発揮させる。 昨日は休んだわけでもないけれど、何故だか妙に久しぶりだと感じる授業のコマをすべて終えて、また夜のシフトに入るためにカフェに向かった。
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