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美百合の頬にカッと怒りの血がのぼった。
こんなやつ、こんなやつ、人間じゃない!
けれど、その腕力の差は絶対で、信也はやすやすと美百合のブラウスを引きちぎって、胸元をあらわにする。
「お前はガキか」
信也が嘲笑するのは、今日は龍一に会う予定はなかったので、気が抜けたブルーの水玉のブラジャーのことだ。
とっさに隠そうとしたのを、両手を捕らえられ、頭の上でまとめられ、否応もなく信也のねっとりとした視線に晒された。
――気持ち悪い!
両手の自由を奪われ、身体は馬乗りになった信也の下敷きにされ抵抗が出来ない。
唯一、美百合に自由が許されているのは、口だけで、
「やめて! 無理! キモい! 離して!」
本当に、指一本でも触れられると寒気がする。
見られるだけでも怖気が走る。
最低最悪。どんな罵詈雑言でも不十分。
信也に対して言い足りない。
美百合の身体は、すでにあの美しい人の愛撫を知っているのだ……。
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