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3.ある少女の章
３、ある少女の章
私の好きな人は遠野くんだ
残念だけど
私は遠野くんの下の名前を知らない
お母さんに生まれて初めて連れて行ってもらったコンビニで
店員用の名札を見ただけだから
それだけだから遠野くんのことは何も知らない
どこを好きなのかと尋ねられたら困る
遠野くんのどこかぎこちない笑い方が
私は好きだ
といってもレジ打ちの時の遠野くんの愛想笑いしか私は知らない
またあのコンビニに行きたいのだけれど
お母さんにこれ以上迷惑はかけられない
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