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なのに、ボーリング場への無料送迎バスに、目が奪われた二人。
女は昔、プロボーラーを目指していた。
マイボール、マイシューズ。
学生時代、毎日通っていたボーリング場。
今は、無くなってしまったボーリング場。
夢と現実に直面した卒業時期。
女は、プロボーラーの夢を諦め、全く違う道へと進んでしまった。
既婚者の男は、
「たまにはボーリングでも、行ってみるか?」
女の顔を見て言った。
そう、この既婚者の男も、プロボーラーを目指していた。
私達二人の共通点は、小さい時からボーリング場へ行き、ボーリングで遊ぶ、そんな家族の中で育った所だった。
小さい時から始めた楽しい出来事は、夢になるのかも知れないなぁ~と、女はしみじみ考えた。
店を出た時は、寒いし帰ろうと、話していたはずなのに、
二人は、ボーリング場へ向かうバスに乗ってしまった。
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