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それも面倒だと言えば面倒だけれど、彼から私への素直で直接的な愛情表現も極めて激しく、一方的に愛情を求められているわけではない。
そして、その彼からの判りやすい愛情表現のおかげで、恋人として自信を持ち安心できている面もあり、その安心感をお返しする意味で私も頑張っていた。
「どもです」
彼がそう言いながら、腰を下ろした。
その場所が私の真後ろであり、私の体を両足で挟む形で、私の背中にピッタリくっつく格好だったため、苦笑。
「ちょっと、あーちゃん」
「え、何?」
「何じゃないよ、もー」
「いーじゃんいーじゃん。気にすんなって」
「なるよ」
「ならないならない。ほら、仕事頑張って」
テッキトーな調子で軽く言いながら、ぐいぐい体を押し付けてくる彼。腕を前に回して、私のお腹の前で交差させる。
後ろから私の肩に顎を乗せて、
「早く終わらせてー」
呑気なことこの上ない。
若干、イラッとする。
そのせいでか集中力も薄れ、それがこたつの熱さのせいにも思えてくる。
掛け布団の中にある調整スイッチを手で探り、設定温度を低くした。
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