第1章

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それでも、 矢代の部屋に戻ることはなかっただろうが――。 「アキ」 「ん?」 「好きだよ」 ドキ――。 「…なに? 突然」 「突然じゃないさ。 …僕はいつだって君のことが好きなんだから」 (あ…そうか…) アキは矢代と話していて気付いたことを思い出していた。 (正司さんも…不安なんだね…) 「俺も。 正司さん好きだよ」 「…ホントに?」 そういえば今まで、 ちゃんと言葉にしてこなかった――。 「なんでそんなびっくりしてるのさ。 俺達、 一緒に暮らしてる仲じゃん、 毎日同じベッドで寝て、 職場も一緒で…ラブラブじゃん」 「…アキ」
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