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てっきりセフレとしてヨリを戻そうと言っているのかと思っていたが、
言葉の端々に、
真摯な眼差しに、
彼の本気を感じずには居られなかった。
でも――。
もし本気で好きだと言われたら…。
自分はどうするのだろう。
正司への想いはまだ浅く不安定で、
矢代に後ろ髪を引かれる自分を隠し切れない。
(俺――)
ここにいちゃいけない――。
例え夜の公園でホームレスと一緒に寝ることになったって、
ここで矢代と夜を明かすよりはマシだ。
ここにいれば、
矢代とどうにかなってしまうかもしれない。
それどころか――…。
自分から――求めてしまうかもしれない。
それが――堪らなく怖い。
「ここを…でなきゃ」
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