第1章

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アキは顔を彼の肩に押し付けるようにして、 ――泣いた。 なんだか気持ちが昂ぶって、 次から次へと涙が溢れてくる。 「アキ…」 「ごめんなさい…ちょっとだけ…」 「いいよ。 気が済むまで…泣きなさい」 近くのスナックだろうか、 風にのって音程の外れた歌声が聞こえてくる。 カラオケ特有のエコーを効かせたわんわんと響く音。
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