情熱戦隊シャレンジャー ピンクさんとレッド君の事情

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登場シーンを演技で彩りながら、そのままの流れでストーリーへと突入する。ステージの脇にいるMCが、絶妙なタイミングでナレーションを差し込んだ。 『シャレンジャーは今日も町をパトロールしていた。しかし、そこには悪の総裁ブラックの魔の手が忍び寄っていたのだ――』 他の戦隊メンバーは一度裏に引き、操は見渡すようにステージの中央に立った。仲間と離れ、単独で行動していたピンクが、ブラックの手下に攫われるシーンだ。 悍ましいBGMが流れ、戦闘員役の六名に取り囲まれる。一斉に襲い掛かってくる彼らを一度は蹴散らしながら、次は宙に舞う片足からの前宙返りを入れ、取り押さえられる演技に繋げる。 スピーカーから流れる台詞に合わせ、操はいつも通りに演技をこなしていった。 ストーリーは子供でも分かる様にシンプルなものになっているが、アクションはアクロバットや格闘技の動きを入れた、本格的なものだ。 後半に入ると、レッドが仲間と一緒にピンクを助けに来るシーンに入り、テンポのいいBGMが流れ始める。 『さらわれたピンクを助けるため、レッドは悪の要塞ブラックホールにやってきた! だがそこには悪い手下が待ち受けていたのだ!』 ステージの右側にはシャレンジャー、左側にはブラック率いる戦闘員十名と、攫われたピンク。 子供から大人までテンションが上がっていく中、囚われる形でステージの隅に居た操は赤神の動きを見守る。
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