第1章

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「俺も…そう思うんだよ。 矢代」 無意識のうちに、 涙がこぼれていた。 頬を伝った雫が手の甲に落ちて、 あっ。 と気付く。 「…ワリ」 「いや…」 矢代が新しいお絞りを貰ってくれた。 俺は真夏のサラリーマンのように、 熱いタオル地を顔全体に押し当てる。 「出るか?」 「いや…平気だよ。 飲みたいんだ。 付き合ってくれるか?」 「俺は構わんけど」 「悪いな。 プロのアスリートに無理言って」
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