第1章

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「確か来年だったか。 オリンピック」 「あぁ。 せやね」 「頼むぜ。 大将」 「…せやね」 「なんだよ。 いつもの覇気がないな」 「俺もちょっと泣きたい気分? みたいな」 「…めずらしい」 「そう? ナベやんに振られたときはもっと凹んでたんよ。 これでも」 「なんだお前。 誰かに振られたのか」 「あ。 ソッチに食いつく? 俺の狙いじゃ 『今からでも間に合うなら…』 とか言って欲しかったのに~」 「バカ」 「関西人にバカ言ったらアカンて」 「アホ」 「そうそう。 アホ言ってくれると気分がスッキリしてええね。 ――って何言わすの」 「あははっ」
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