第1章

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いつでもコイツは俺の辛いときに助けに来てくれる。 ただ一緒に居て話をして。 それだけのことなのに、 どうしてこんなに心が救われるんだろう。 親友――。 俺はいつだってそう思ってきた。 でも、 それはコイツにとっては違っていた――。 高校生の頃から、 俺を特別に想っていたと。 告白されたときは既に俺は長谷川さんとそういう仲になっていて、 矢代もそれを知っていて告げたのだったが。 「お前はさ。 辛くなかったの? 俺のノロケ聞いたりして」 「俺は、 ナベやんが幸せならええかなって思えるタチやから」 「俺も…そう思えるようになんのかな」 「ナベやん…」 「なんか、 絶対ならない気がする」 「――ウソや」 「え?」
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