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俺のためにも。
矢代のためにも。
だって俺はあの親友を失いたくない。
一線を越えないから一緒に居られるんだといったのは彼だ。
それなら忘れよう。
素肌に残る抱擁の記憶も、
涙の痕も。
「服…乾いたかな」
ベッドを抜け出して服の乾き具合をチェックし、
コンビニ袋から二人分の下着を取り出して封を開けた。
「おう。
お先~」
バスルームから腰にタオルを巻いて出てきた矢代に開封したばかりの下着を一枚手渡し、
干してある服を見上げる。
「お前の服も汚しちゃったみたいだな。
悪い」
「そりゃーもう。
マーライオンもビックリの」
「わかった。
わかったから、
もう勘弁してくれ」
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