第1章

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別れはかくも甘く切ない 「はじめまして。 油彩科の香曽我部(こうそかべ)です」 「どうも。 同じ学校に居るのに 『はじめまして』 ですね。 彫刻科の長谷川です」 「実は僕、 長谷川君が学生だった頃からファンでね。 キミの作品は毎回楽しみにしてるんだよ」 「あ…ありがとうございます! 俺、 いや、 僕も香曽我部さんの油彩はいつも見ています。 あの独特のタッチと背景から浮き上がるようなモチーフの捕らえ方、 どれも心に響く素晴らしい作品ばかりだなって」 「ホントに? 光栄だなー。 ねぇ、 どうだろう? 僕達そんなに歳も離れてないことだし、 もっと砕けた口調で構わないから、 互いの美学について語り合わない?」
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