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長谷川を見る香曽我部の表情が、
また眩しそうに眇む――。
「いいね」
「え?」
「今の長谷川君。
とてもいい顔をしていた」
長谷川の頬が薄い桃色に上気する。
「それを自分で見れたら…良いんですけど」
「今度の作品は自画像も入るの?」
「ええ。
僕と彼の像でひとつの作品に」
「なるほど。
まさに、
あそこにあるような?」
振り向くと、
男女が唇を寄せている大理石の像があった。
座る男性の膝に腿を乗せるようにして、
女性は彼を見上げている。
男性は腰から背をひねり、
女性の腰に優しく手を添えながら彼女の顔を見下ろしている。
女性の腕は彼の首に巻きつき、
この後与えられるであろうくちづけのときめきに、
心を震わせているのが見ているだけで伝わってくるような美しい作品だった。
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