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タイトルは――『接吻』――
「素晴らしい…作品ですね」
「そうだね。
さすが、
神の手を持つ男。
オーギュスト・ロダンか…」
天才達の残した作品を前に、
二人は揃って感嘆のため息を漏らす――。
「…貴弘…」
「タカヒロ?」
「あ…すみません。
なんか急に恋人に会いたくなっちゃって」
「こらこら。
今は一応仕事中だよ」
「…はい」
「でも…いいね。
そういうの」
ニッコリと香曽我部が笑いかける。
長谷川は頬を赤らめながらも、
しっかり、
はい。
と返事していた。
※ ※ ※
「え? 俺が香曽我部さんのモデルに?」
「そう。
嫌?」
「えっと…」
「キミの知らないキミを、
描き出してもいいなら。
だけど」
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