第1章

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「それは…やっぱり、 エロティックな意味合いですよね」 「勿論」 「………」 「僕の描いた絵は。 ――未発表のまま終わらせてもいい」 「えっ!?」 「それでも描きたいと思う。 キミを。 キミが想う… 『なにものにも代えがたい愛しい瞬間』 を」 「香曽我部さん…」 「キミはわかるといった。 僕には君の作る 『愛』 が――。 僕もキミにならわかると思う、 僕の描きたい 『愛』 が」 「ええ…そうですね。 本当に…」 感性の質が似ていると、 初めて香曽我部の作品を見たときから思っていた。 自分の作品に込めた想いやメッセージも、 彼ならわかってくれるだろうと。
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