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真剣な表情で作品への思いを打ち明ける香曽我部の情熱に、
純粋に心打たれた。
それは長谷川にとって、
共鳴にも似た感性(ココロ)の震えだった――。
「ありがとう」
「いえ。
俺は貴方とこうして知り合えた事を、
嬉しく思います」
「長谷川君…」
「きっと特別な糸で作った糸電話みたいな…俺達の言葉には、
俺達にしかわからない言葉以外の音が乗せられている…」
「ああ――そうだね。
そしてその音には色がついていて、
僕達は繊細な糸の上を転がるその色の玉を、
見て、
取って、
互いに共有できるんだ」
「そんな相手と出会えるなんて…」
「ああ。
僕も嬉しいよ」
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