第1章

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真剣な表情で作品への思いを打ち明ける香曽我部の情熱に、 純粋に心打たれた。 それは長谷川にとって、 共鳴にも似た感性(ココロ)の震えだった――。 「ありがとう」 「いえ。 俺は貴方とこうして知り合えた事を、 嬉しく思います」 「長谷川君…」 「きっと特別な糸で作った糸電話みたいな…俺達の言葉には、 俺達にしかわからない言葉以外の音が乗せられている…」 「ああ――そうだね。 そしてその音には色がついていて、 僕達は繊細な糸の上を転がるその色の玉を、 見て、 取って、 互いに共有できるんだ」 「そんな相手と出会えるなんて…」 「ああ。 僕も嬉しいよ」
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