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第一話 終わりの始まり
横腹の辺りが熱い。熱すぎて発狂しそうだが、そんな気力もない。
俺は死ぬんだな。と悟った。
最後に笑顔で赤江樹の人生は終わった。
~数十分前~
俺赤江樹は、学校の帰り道だった。
俺は常日頃思う。なんてつまらない人生なんだろうと。なんせこれからの人生はもう見えている。
高校を卒業したら、どこか適当に就職して、社畜として働く自分の姿しか想像できない。嫌だ。社畜だけは勘弁だ。
俺がそんな現実逃避をしながら帰っていると、
「誰か助けて!」
そんな声が聴こえてきたのだ。俺はすぐ駆け出しそこに向かった。
声がした方に行くと幼女を追いかけるニット帽にマスクに全身黒服の男がいた。
俺はすぐ助けに行こうと思ったがちょっと待て。幼女は泣きながら走ってにげている。
だが、こんな偶然があるだろうか。いや。これホラー映画の撮影かなんかだろう。
そう思ったが男が服の中から包丁を出した瞬間にそんな思いはどうでもよくなった。
もし、俺の勘違いなら、それはそれで黒歴史が増えるだけだ。俺は
「ちょっと待てえええええ」
叫びながら幼女を庇い前に出た。
男は驚いていたが包丁を伸ばす瞬間でそのまま俺の横腹に刺さった。
俺は力が抜けていきその場に倒れた。
男は他にも人が来るのかと思ったのかすぐにどこかに逃げていった。
幼女は俺の近くに来て何か言っているが分からない。
俺はこの子に責任を負わせたらいけないと思い最後の力を振り絞り笑顔で死んだ。
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