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「あはは!!!」
突如大笑いした声が聞こえ
みんながそちらを見ると彼女が腹を抱えて笑っていた。
「「「……ハハハハハ!!!」」」
少しの沈黙の後みんなの笑い声がそこには響いていた。そして別れのと時がやってきた。
『そろそろ時間か』
一人一人だんだんと体が透けていった
『ああ、そうだな』
だがそこにはみんなが消えていく中で悲しんでいるものは誰一人としていなかった。みんな涙を流しながらようやく消えることが出来ると。解放されるという根性が占めていたのだった。そして最後の一人が
『じゃあな。達者でやれよ!!』
「ああ!!」
「……っええ!!」
そう言って最後の一人が消えていった。
こうして長い間人の魂を閉じ込めていた神殿が崩れ去りその歴史に終止符が下りたのだった。
「帰ろう」
「そうね」
二人は解放された魂の冥福を祈りそして、ようやくつかみ取ることのできた幸せを離さないように手をつなぎ帰路についたのだった。
―完―
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