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「ふう、くらえインフェルノ・スラッシャー!!!」
「負けるわけにはいかない。テンペスト・スラッシャー!!!」
互いの出せる全力を出し放ったその一撃は中央でぶつかり、せめぎ合いながら互いの全力は対消滅していった。
静かになり彼女は叫んだ
「なんで、何であなたは諦めないの!?私は、此処にいると決めたの。此処にいる魂たちを守るために」
彼女は悲壮な顔をしながら彼に訴えた。
「魂を守るためには自分はどうなっても良いって言うのかよ。ふざけるな!お前の帰りを待っている家族だっているんだよ!自分だけで背負っているんじゃねぇよ!」
彼のほうも我慢の限界だったのか彼女に向かって精一杯に叫んだ。
「そんなのわかってる!でも、放っておけないの!それに、此処の場所は結界の力が強くて私でも破れなかったのよ」
最初のほうは叫びながら、最後のほうはどこか悔しそうにしながら彼女は言った。
「そうか」
「わかってくれるの?」
彼女は彼が諦めてくれたことにホッとしたのか一瞬気を緩めた。その隙を突き彼は、彼女に近づき彼女の額に向かってデコピンをした。
「いったぁ~~!!何するのよ!」
彼女は若干涙目になりながら彼に訴えた。
「ふん、そんなの決まっているだろ。いつも一人で背負い込んで勝手に自滅するバカへのお仕置きだ」
「誰がバカよ!」
「お前以外に誰がいる」
「あんたよ」
そこからは子どものような喧嘩をし続けた。しばらくすると喧嘩をやめ、話し合うことにした。
「それで、私のことをバカにしたんだから何かいい案があるんでしょうね」
なかったらひどい目に合わせてやるというような表情で彼に問いかけた。彼のほうはというと冷や汗を掻きながら話し始めた。
「そんな難しい話じゃない。俺とお前の最大の一撃を同時に天井に向かって叩き込むんだ」
「まあ、確かに簡単だけどそれで行けると思うの?そっちはボロボロじゃないの」
「アハハ、確かにそうかもしれないけどやらないといけないだろ」
苦笑交じりに彼は答えた。
「相変わらずね。考えているようで本当のところは行き当たりばったりで」
「悪かったな」
頬を掻きながら彼は答えた。
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