最強達がいるとされる神殿

　―――神殿―――
　神殿の入り口に今、一人の男が立っている。この男はこれからある挑戦をするためにこの場所に立っているのである。それは、最強になるための挑戦だ。この神殿の中には、様々に武術を極めたものや特殊能力を持つものなどがこの中には５人存在している。この５人を倒したとき最強へとなることが出来る。なお、これを制覇したものは未だかつていないと言われている。そして、この挑戦は敗北＝死というデスマッチということだ。
　そんな場所に彼はやってきたのである。神殿の入り口は異様な雰囲気が立ち込めており入ろうとするものを試すかのような圧迫感がある。だが、彼は臆することなく中へと歩を進めていく。
　少し歩を進めると。最初の扉が見えてきた。彼はその扉を開けた。
　「此処が一つ目の場所か」
　そこには、広々とした空間があり障害物などが何もない場所だった。
　「ようこそ挑戦者よ」
　どこからともなく男の声が響いた。
　「あんたが最初の門番か」
　「ああ、いかにも」
　声が聞こえると光が集まっていき、徐々に人の形を成していき光が消えるとそこには２０代ぐらいの青年が立っていた。
　「あんたは一体なんなんだ？人？いや違うな、あんたはもう死んで魂しいだけの状態なのか？」
　彼は青年に聞いた
　「ほう、なかなかの観察力だな」
　「いや、普通じゃないのか？」
　「そうなのか？」
　「俺に聞かないでくれ」
　「此処での門番は全てランダムで決められるからな」
　「いいのかそれで」
　「知らん。昔からそうなっているのだからな」
　もはや適当な感じに青年は返した。しかし、ここで彼には疑問が出てきた。
　「なあ、ここで一勝でもしたら二度と外に出ることはできないのか？」
　「………」
　それに対して青年は何も語らなかった。
　「沈黙は肯定ととるぞ」
　「………」
　「そうか、帰れないのか」
　彼はどこか納得したかのような顔になっていた。
　「予想していたかのような反応だな」
　「ああ、此処の情報を少しでも集めるために世界中を歩き続けたからな。だが、挑戦したものは誰も戻ってくることはなかった。世間じゃあ敗北＝死というのが一般常識なんだが、俺はもう一つの可能性もあると思っていた。勝者も出てくることはできないのではないかと、でなければ戦ったもの全員が返ってこないなどありえないからな。」