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彼は青年に持論を述べた。
「……」
青年は黙したままだった。
「本当にここを制覇したものはいないのか?」
彼の質問の後、青年の雰囲気がガラリと変わった。
「!!!」
「すまないが、その質問に答えることはできない。もし、どうしても知りたいというならこの先をクリアし続けろその先に答えはある」
「そうかい。なら、その先に行かせてもらう」
その言葉の後、彼の姿は消え気づけば青年の目の前にいた。
「っ!!!」
青年は後退しようとしたが後退することはできなかった。
「がはっ!!!」
青年にはすでに剣が切りつけられていた。
「何が、起きた」
「縮地という技だ。これで一気に近づき切り伏せた」
青年はその言葉に目を見開いた。縮地という技は青年も知っているし、何度も戦ったことがある。だが、それにしても早すぎたのだ。
「まさか、能力者か」
能力者とは、この世界には特殊な力を持った者たちがいる。
「正解だ。俺の能力はシンプルに身体能力の強化だ」
「ははは!」
青年は力なく笑っていた。
「身体能力の強化だけで負けたか。どれだけの苦難、困難を乗り越えてきたのだ」
「あんたが知る必要はないだろう?」
「そうだな」
「ここを最後に制覇したものはいるのか?」
「ああ、いるぞ。10年前に一人の6歳の少女がな」
「そうか。じゃあな」
「ああ」
そう言って青年は消えていった。
(やはり、いまだにここにいるのか)
―――洞窟最奥―――
洞窟最奥の部屋その中央には一つの椅子がありそこに一人の少女が座っていた。そこに門番の一人が現れた
「新たに一人の挑戦者が現れました。最初の門番との戦いを瞬殺なされました」
「へえ、どんな人なの」
少女が若干笑っているように聞いた
「はい、性別は男。年は15、6歳。身体能力の強化を使うようです」
「!!!」
少女は驚愕の表情となった。
「あの、どうされました?」
「何でもないです」
(まさか、彼が)
「もう下がっていいです」
そう言われ門番の一人が下がっていった。
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