2人が本棚に入れています
本棚に追加
「そうだよ、おばちゃん」
おばちゃん?
一瞬、間を置いて「叔母ちゃん」と頭の中で変換される。
「うちの弟の子なんだけど、私、昨日、帰ってきたばっかりだから、普段は全然分からなくて」
自分と同じ三十三歳の彼女はもはや「叔母ちゃん」どころか「伯母ちゃん」なのだ。
「私は子供どころか相手もいないのに、弟の所はもうすぐ二人目が生まれるって」
あれ?
実紗ちゃんは確か他県に就職して、六、七年前にそこで結婚したのではなかったか。
自分も当時、別れた妻と婚約中で母からその話を聞いたのだ。
「俺も、そんな感じだよ」
彼女はまた驚いた風に目を見張る。
最初のコメントを投稿しよう!