第二話 妖怪九尾狐はうちの学校で噂の教師が気になるそうだ

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渡村先生こと"渡村・アレン・咲良(トムラ アレン サクラ)"は、一年前私が二年生の頃に転任してきた人で、その瞬間校内の女子達は皆渡村先生の虜になってしまったのだ。それがずっと納得出来ないのだ。突然渡村先生が女子達全員を虜に出来ることが。ちなみに渡村先生の名前の中のアレンというのはクリスチャンネームというものらしい(クラスの中の知ったか女子いわく。本当のところどうなのか知らんけど...)。なるほど、ハーフか...。ん?ちょっと待て、ミドルネームじゃないのか?皆もしかして誤解してる?私そっちだと思うんだけど...。 「んだアイツ...気持ち悪ぃ...。」 「ホントそれ...。__ぇえっ!?」 聞き覚えのある声が天井から聞こえる。天井を見ると、白夜が浮いているのだ。というか気づかなかったわ今のすっごいビビった!! 「アイツハーフなら英語教師にでもなれっつうの。なんで国語なんだよ。」 ...確かに。なんでだろ。 白夜がゆっくりと降りてきて、険しい表情で私の耳元で話した。 「あのさ、渡村先生だっけっか?アイツの魅力って何だと思う?」 「さあ...見た目と性格と雰囲気とか?」 「...それ以外に何か感じねえのか。」 「は?」 何か感じねえのかって言われても...私はただ渡村先生の輝くようなオーラに何か違和感があるぐらいで、あとは普通で、特に何も無いと思...。 ..."輝くようなオーラ"って、見えるものなのか? 「...後で話さない?...。」 「あ?なんか分かったのか?」 「わかったってより...気になるというか...。」 と、白夜とのヒソヒソトークをしてるうちに、後ろのドアの開閉音が聞こえた。全員が後ろに視線を向ける。渡村先生が戻ってきたのだ。白夜は慌てて天井に張り付く。いや、見えてないから意味無いって。アンタは忍者か。     
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