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天井に何十分も張り付いていた白夜が降りてくる。私の頭に直撃。床に着地。いや私に向かってドヤ顔すんな。白夜は私の耳元で小声で話し始めた。
「...なあ、さっきなんかに気づいたっつってたよな。何なんだ?」
「なんていうか...こう、輝くようなオーラが見えたんだよね。でも教室を出た時、疲れているような表情になったんだよな。」
「なるほどな...。」
...あ、いいこと思いついた。
「白夜さ、どうせ私以外見えないんだから渡村先生尾行してきたら?」
「は?何でだよ。めんどくさい。」
「そこをなんとか...!」
「やだ。」
「行ってこい。」
「行く。今行く。」
白夜はとぼとぼと教室を出ていった。どうだ、不良ママの血は恐ろしいだろ。
「...おい、月乃。」
右から男の声がする。声のする方向を見ると、男子が私をじっと見つめていた。小さく手招きをし、私は何となくそちらにそーっと近づいてみる。こんなこと今まで無かったのだが。男子の一人がひそひそと話し始めた。
「お前は貧乏人だから当然渡村のいい所なんてわかんねえよな。」
「まあ...完全にという訳では無いけどね。女子達の気持ちは少しわかるけど...。」
「お前何か渡村の秘密とか探れるか?」
「は?」
なんだよそれ。え、私がやんなきゃダメ?スパイやらハッカーにでもなれって言うの!?
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