第二話 妖怪九尾狐はうちの学校で噂の教師が気になるそうだ

7/9
前へ
/101ページ
次へ
体育館裏は人がおらずスカスカだった。いじめでよくここに連れていくくせに、今日に限っては空気が違う。良い意味で。だが日陰のせいだろうか、少し寂しく感じた。 ふらふらと白夜が歩いてくる。かなり疲れているようにも見える。まるで先程何が面倒事でもあったかのようだった。顔が真っ青なうえ、見てはいけないものを見たかのような表情をしていた。 「...どうしたの。」 「いや...怖ぇよ人間って...。」 「ん?なんかヤバいもんでも見たの?」 「おう...。」 白夜は壁に寄っかかって深いため息をする。心を落ち着かせ、目をそらしながらも話し始める。 「...アイツ、相当な"重り"を背負ってるみたいだったな。職員室まで追っかけて様子を見てったんだけど、生徒には見せねえ顔ってやつが出てたんだ。日頃の疲労が溜まってんだろうな。それも女に媚びられてばっかで、それに対応することだけで精一杯...可哀想に。」     
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加