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体育館裏は人がおらずスカスカだった。いじめでよくここに連れていくくせに、今日に限っては空気が違う。良い意味で。だが日陰のせいだろうか、少し寂しく感じた。
ふらふらと白夜が歩いてくる。かなり疲れているようにも見える。まるで先程何が面倒事でもあったかのようだった。顔が真っ青なうえ、見てはいけないものを見たかのような表情をしていた。
「...どうしたの。」
「いや...怖ぇよ人間って...。」
「ん?なんかヤバいもんでも見たの?」
「おう...。」
白夜は壁に寄っかかって深いため息をする。心を落ち着かせ、目をそらしながらも話し始める。
「...アイツ、相当な"重り"を背負ってるみたいだったな。職員室まで追っかけて様子を見てったんだけど、生徒には見せねえ顔ってやつが出てたんだ。日頃の疲労が溜まってんだろうな。それも女に媚びられてばっかで、それに対応することだけで精一杯...可哀想に。」
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