第三話 大木で待つ貴方、悲しき君の面影

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ゴクッと口の中の唾を飲み込むが、緊張のあまり次々と口の中の唾が量産されていく(汚ねえ)。 「...すぅー...。」 息を吸い込む白夜。そして...。 「ぶえっくしょぉぉいい!!」 おい。 え、さっき何があろうとも動じるんじゃねえぞって言ってたんだよね。くしゃみ我慢しろ的な事言ったよね。何でアンタがくしゃみすんの。 「あーわりいわりい、ティッシュくれ。」 「うん。」 「魔夜。」 「何。」 「真顔でティッシュ箱渡すなよ。怖え。」 なんやかんやあってもう一回やり直すことに。今度こそ何かを始めるようだ。 さっき取り出した鉄の棒を手に持って白い綺麗な玉を叩き始めた。 キィーン! 何と例えたらいいのだろうか。鉄筋の綺麗な音と、黒板を引っ掻いた時の痛い感じの音が合体したような感じ。音は綺麗だが脳みそを鋭い針が貫くような痛みが感じる。耳を塞ぎたいところだが、我慢して正座をする。 キィーン!キィーン!キィーン!キィーン! 白い玉を叩き続ける白夜。口元を見ると何かをブツブツ言ってるように見える。いや、これは何かを唱えてるのではないのか?しかしキィーン!という音が部屋中に響くため、何を言っているかわからない。 キィーン!キィーン!キィーン!キィーン!     
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