第三話 大木で待つ貴方、悲しき君の面影

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だんだんと叩くスピードも早くなっていく。この様子を見て思い出したのだが、まるでお坊さんが木魚を叩いてお経を唱えてるように見えるのだ。実際何をやっているのかはわからないが。 「禅っ!!」 キイイィィィィィィ!!! 白夜がお経らしきものを唱え終えると、最後は強く叩いて終わった。尋常じゃないくらい音が部屋に響き渡った。頭にも響いている。その瞬間だった。 「...あれ...?」 意識が遠のいていく。あの音が頭の中で響き渡るのと同時に、私の体が落ちていくような感覚が感じる。体の力が全て抜け、ずしんと重くなる。ベッドで気持ちよく寝ているあの感覚のようだった。暖かくて心地よい。頭がだんだんと白くなる。視界もぼやけていく。一体白夜は何をしたのだろうか? 「びゃく...や.....。」     
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