第三話 大木で待つ貴方、悲しき君の面影

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__顔に何かが覆いかぶさり、目が覚める。 バッと慌てて起き上がり顔についた何かを払う。何かが膝の上にひらひらと落ちる。それは1枚の桜の花びらだった。こんな季節に桜...?そう思いながら後ろをゆっくり振り向く。 そこにあったのは、今まで見たことのないくらい大きな桜の大木だった。 上を見あげても空に突き刺しているかのように高く、青空を覆い隠すくらいのいくつもの桜の枝が花を咲かせていた。もはやギネス世界記録にも認定してもいいくらい大きな桜の木。木と言うより、これは大木と言うべきだろう。 あまりの美しさに私は見惚れていた。 と、見とれていた私は重要人物を思い出す。 「...白夜どこ。」 周りを見回してみるが、白夜の姿はどこにもない。探してみようと振り返ってみると、私が今どこにいるかがわかった。     
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