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風になびく金髪の長い髪、白いワイシャツ、焦げ茶色のジーンズ、私より高い身長。腕を後ろに組んで、まるで誰かを待っているように見えた。いや、実際何をしているかわからないが。私に背中を向けているため、顔が確認出来ない。きっと彼女は美人だろう。後ろ姿だけでもなぜかそれがわかる。むしろ後ろ姿だけでも美人だ。
...私の視線に気がついたのだろうか、女性はゆっくりと後ろを振り向く。その時顔が見えた。やはりその人は美人だった。西洋人形のように綺麗な青い瞳を輝かせてる。頬はピンク色なのに肌が白い。長い前髪を耳にかけており、黒いピンをつけている。その人は私を見て驚いた。私の方に駆けつけて来る。
「貴方、どうやってここに来たの?」
驚いた。外人かと思いきや普通に日本語を上手く話していた。てっきり外人かと勘違いしていた。って、どうやってここに来たのって言われても...私だってわかりませんよ。
「...肌もそんなに白くない。体温は...。」
そう呟きながら女性は私の頬に優しく触れる。触れられたその手はひんやりと冷たかった。まさかこの人...。
「...温かい。まさか貴方死んでいないの?」
「そ、そういう貴方は...その...死んでしまったのですか?」
私の問いかけに彼女は悲しい表情をした。失礼なことを言ってしまった、やらかしたと私は思う。頬に触れる手が離れる。
「...ええ、そうよ。愛する人の目の前で。殺されてしまったの...私...。」
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