第三話 大木で待つ貴方、悲しき君の面影

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「実際にそれで私は死んでしまったのよ。私が「言った方がいい」ってその相談に答えたの。そして彼はそれを実行し...私はそれで死んでしまった。殺されてしまったの。」 ...どういうこと? 「一人の女子生徒が嫉妬して、アレンの家に忍び込んだの。カッターナイフを手に、私を探したの。そして、書物類を片付けていた私を見つけて、私を刺した。」 ...今改めて思う。人間とはなんて恐ろしい生き物なんだと。一つの感情だけでこんなに動かされてしまうのかと。嫉妬するのは女子も男子もどっちも同じだ。 ミリアさんに罪はない。なのにその女子生徒は嫉妬のあまりミリアさんを刺した。恐らく彼女はこう思ったのだろう。 「お前が邪魔だ。お前さえいなければ先生は私のものになれたのに。」 「...っ」 酷い。こんなこと許されるはずがない。 「今その子は自殺をしているの。でもこの世界にはいない。不思議ね...まだ私に恨みがあるなら私を追いかけてくると思ってたけど...。」 自殺...なんて身勝手な。 「そうなんですか...。ミリアさんはこれからどうするんですか?」 「...それ以前に、貴方はどうするのよ。だって貴方まだ生きてるんでしょ?」 ...あっ。そうだった。本当にどうしよう。 ええっと、私って確か白夜の変な儀式みたいなのでここに吹っ飛ばされてしまったんだよね...。えっえっ、どうやってここ出るんだよ。     
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