第三話 大木で待つ貴方、悲しき君の面影

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「そして...Yesと。」 「言ったわ。私も彼しかいないと思ったの。どんな男よりも優しくて、魅力があったのだから。」 おぉ...素敵なプロポーズ。こんなにも幸せな二人がまさか残酷な嫉妬によって離されるなんて...悲しい。 「またアレンに会いたい。まだあの世に行きたくない。それが私の気持ちかな。」 ...凄く共感出来る。私だって父さんに会いたい。会うことが出来なかった父さんに。せめて、たった一瞬だけでもいい、触れて、話して、お父さんに甘えたかった。これだから月乃家のしきたりは...。 「私もわかります。」 「...そう。お互い寂しがり屋みたい。」 私の背中を優しく摩るミリアさん。ひんやりと冷たいけど、何故かミリアさんが優しいせいか暖かく感じる。 この人をどうかもう一度渡村先生に会わせられるなら、私にそんな力があれば、そう私は思う。 「おお、ここにいたのか。」 聞き慣れた声が聞こえた。男の声。もうわかってる、白夜の声だ。 「白夜!!アンタねぇ...!」 そう言いながら声のする方に振り向く。しかし姿は見当たらない。慌てて立ち上がり、周りを見回す。木の影にいるかもしれないと思い、歩き回って探す。それでも姿はなかった。     
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