第三話 大木で待つ貴方、悲しき君の面影

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「わりぃわりぃ。失敗した。」 姿がなくても声が聞こえる。ミリアさんを見ると、彼女もキョロキョロしていた。ミリアさんにも聞こえるらしい。 「そんな軽く失敗したなんて言わないで!」 「ま、魔夜さん...。」 「落ち着けって。今戻してやるから待ってろ。」 「早くしてよ!!ホントアンタってやつは信用出来ないし...。」 「魔夜さん!!」 「はいぃっ!?」 怒りのあまりにミリアさんの声が聞こえなかった。突然叫んだミリアさんの声に驚く私。 「その...行ってしまう前に1ついいかしら。」 「はい。」 ミリアさんは立ち上がり、私の右手を両手でぎゅっと握った。やっぱりひんやり冷たい。ミリアさんは私の顔を見て泣きそうな声で言った。 「アレンを...よろしくね。」 それがミリアさんの最後の言葉だった。その言葉を最後に私はまた気を失った。 気がつけば私はベッドの上で眠っていた。掛け布団と暖かい温もりが私を包んでいた。時計は深夜の二時を指していた。ベッドの下に置き手紙があった。 『ちょっと出かけてくる 白夜』
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