第一話 実家の自室の窓から入ってきた阿呆狐

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ここの家は普通にしきたりがなく、楽にいられるのだ。しきたりが厳しいのは実家で、ここは別に実家という訳では無い。実家...というか本家はもっと遠い場所にある。月乃家の人々は皆ばらばらに住んでいて、大切なことがあれば本家に集まるのだ。 ...ちなみに月乃家って何人いるのかというと、ざっと数えて60人らしい。まあ60人中40人ぐらいは使用人らしいけど...本音を言おう、よくわからん...。 だが跡継ぎをするためにはしっかりとしきたりを守らなければならないのは当然だ。特に本家に来た時は完全に守っていないと恐ろしいことが起きる(それが何なのかはあえて言わない)。だから本家から離れている時でも、慣れるように少しでもしきたりを守っていなければならない。そのしきたりとは結構大変なのだ。 一、本家からの命令に従うこと。 一、月乃神社に汚れを残してはいけない。 一、本家から離れても月乃家としての誠意を持つこと。 一、他の人に助けられてはいけない。 一、他の人からの娯楽の勧誘を受け入れてはいけない。 一、勉学や習い事は他の人よりも努力すること。     
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