第四話 超展開、いや急展開になりました。さてさてどうなる。

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そうか...そういうことか。何故その悪霊が渡村先生を殺そうとするのか、やっと理解出来た。本当はしたくなかったのだが...。人は死んだら、よっぽどの未練がない限りあの世に行くことになる。今回の事件の場合、女子生徒の悪霊にはまだ未練がある。渡村先生を自分だけのものにしたい、自分だけを見てほしい、あの世なら誰にも邪魔されない、だから殺す。そうすれば成仏できる。しかも渡村先生という豪華な想い人付きで。 嫉妬心と同時に、独占欲が強い。自分の欲望のためだけに、いろんな手を使ったんだろう。だがどれも失敗した。だから最後の手段として渡村先生の彼女であるミリアさんを殺した。しかし...。 「なんで自殺したんだろ。」 「自殺?」 「ミリアさんから聞いたんだよ。でも、ミリアさん殺したなら自殺の必要は無いと思うんだよなー...。」 「...最初っから計画してたんじゃねえのか?あの世は何にもねえし、人っ子すらいない。そこを通るのは死人だけ。だから邪魔されない場所で渡村という男を堪能したかったんじゃなかったの? 自分だけのものにするために。」 ...人間って怖いな。私が言うことじゃないけど。 「ま、十人十色って言葉があるだろ。いろんな人間がいるんだから、そんなことはどうしよもないんじゃないか?」 「...そうか、そうだよね。」 「って、早く病院に向かわねえと!渡村死ぬぞ!!」 「あ、ああ!そうだ!早く先生を守んないと!」 慌てて私は上着をはおり、玄関を出てダッシュした。 「白夜、案内して!」 「おう。だがそんなに遠くないから安心しろ!」 「わかった!」     
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