第五話 1年間に何百人死んでると思う?

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第五話 1年間に何百人死んでると思う?

...もうすぐよ。 もうすぐ...あの人にまた会える...。 嗚呼...愛おしい...狂おしいほど愛おしい...。 やっと先生と一緒に地獄に落ちることが出来るのね...。 この時をずーっと待ってたの、私。 学校の屋上から飛び降りたの。すっごく痛かった。 だって丁度そこに花壇の柵があって、そこに突き刺さったの。 痛かった。凄く痛かった。 身体を貫いて、だんだんと寒くなって、なんにも感じなくちゃって、これじゃあ先生の温もりに触れられないって思った。 でもね...一つ方法があるの。 この方法さえ成功すれば、先生は私のものなの。 先生、私ト一緒ニ死ニマショ? 私が飛び降りたあの場所で、 手を繋いで、笑って、空気に身をゆだねて、 私と一緒に落ちましょ? 嫌がられたって構わないわ。 だってあの世に行ったら先生と二人っきりだもの。 あのブス女と付き合っていて、 先生本当は苦しかったんだよね? ブス女のためだけに金を使って、 毎日毎日構ってあげたりして、 先生はとっても辛かったんだよね。 でももう大丈夫。あの世にお金はないわ。 これからは私だけに構ってあげてもいいのよ。 もう周りを気にすることは無い。 私だけを見ていればいい。 さあ、先生、もうすぐだから待ッテテネ。
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