第五話 1年間に何百人死んでると思う?

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いや、中学三年生の修学旅行で乗ったことあるよ?でもこれ実際に起きてんの。乗り物とは違うの!これ確実に死ぬの! 「ヤバイヤバイヤバイ死ぬ死ぬ死ぬ!死ぬぅ!!」 しかし足を床に貼り付けるように貼った札が私を上へと飛ばないように抑えてる。ってか白夜なんでわかってたの! 「これ本物のエレベーターじゃねえな。登る最中に異界に入ったか...。」 何でアンタは冷静に分析してんの!しかもアンタ重力に逆らえないあまりに天井に貼り付けられてるぞ!? エレベーター内の電気が点滅し、轟音が頭の中に鳴り響く。重力が上向きならパンチラ当然だが、紳士達よ、残念ながら今日はズボンを履いてる。 「これヤベエな、異界に閉じ込められた!」 「ええええぇ!?」 「クッソ...どっかに入れたはずなんだが...。」 「何が!」 「水晶!」 「水晶このために使うのか!?」 「いいから見てろ!」 そう言いながら裾の中を漁る白夜。ってか何度も思うがアンタの裾は四次元ポケットか!どんだけ物入ってんだ! と、バツン!という電気が切れる音と同時にエレベーター内の電気が消える。そして上向きの重力が元に戻り、激しい轟音は聞こえなくなった。 真っ暗闇の中でドサッという何かが落ちる音がした。 「...白夜落ちた?」 「お、おう。」 天井に貼り付けられてた白夜が落ちただけだった。     
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