第五話 1年間に何百人死んでると思う?

7/15
前へ
/101ページ
次へ
__ここの病院が建つ前は、大きな池があった。それは昔神聖なものでとても大事にしてた池で、その池の近くにある村の村人達はよくここで水の神様のお告げを聞いてたらしい。池の水が綺麗であれば綺麗であるほど豊作が良くなったりなどいいことがあって、逆に濁っていれば濁っているほど災害などの厄災が訪れる。これが水の神様のお告げだと言われてたから、村人達はその池を大事にした。 しかしそれが長く続かなかったらしく、第二次世界大戦の時に戦場になった。人々の死体が池の中に放り込まれ、村人達はそれを阻止しようとしたが、一緒に殺されて池に放り込まれた。池は血と肉によって赤黒く染まって、おどろおどろしい色になってしまった。そして水の神様の祟りによって、兵士たちは変死や怪死したらしい。戦争が終わった頃、この池を撤去することになり、この病院が建つようになった。 しかし神聖な池があった場所だから当然のように怪現象は起きてしまう。このエレベーターもかなりいわくつきで、エレベーターを新しく作って早速乗った患者や医者達が事故に遭ってしまう事件が起きた。それ以外にも、手術に失敗して死んでしまった患者の幽霊が目撃されたり、難病を抱えた患者が飛び降りて自殺するなど、色々と大変な事になったらしい。 「へー...水の神様ねえ。」 すると白夜がぼそっと「なーんか心当たりあるんだが...」って小声で呟いた。まあとりあえずそれは後で聞くことにしよう。 「たまたま水の神様の祟りに触れてしまった病院に、たまたま渡村先生が事故でこっちに運ばれたから、それを知った女子生徒の霊は喜んでこっちに来るわけだ。」     
/101ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加