第五話 1年間に何百人死んでると思う?

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白夜にパンチを食らわす。 「あだっ」 そしてついに、いや、やっと八階に上がることが出来た。 《八階です。》 エレベーターのアナウンスがなると、エレベーターの扉がゆっくりと開く。降りた階は間違えてないようだ。患者が看護師とニコニコと話していたり、忙しそうに駆け足でどこかに向かう医者がいたりと、いたって普通の病院だ。 「...えっと、804だったっけ。」 「わかんねえ。とりあえず行くか。」 「うん!」 そう言って私は駆け足で渡村先生のいる804室に向かった。そういえばこんな話を聞いたことがある...。 4という数字は不吉な数字で、病院で4がつく部屋では患者の死亡率が高いらしい。そんなことを思い出してさらに焦り出す。 804室が見えてくる。騒がしい様子もない。一人の男性の医者が部屋から出てくるところが見えた。 「あ、あの、渡村先生に会いに来たのですが...。」 「ああ、生徒さんかな。渡村さんなら今元気だ。重症だけど、急激に回復に向かってるから、大丈夫だ。」 「そ、そうですか...よかった...。」 渡村先生が無事だということを知り、体の力が抜け、床にペタンと座り込んでしまった。 「よかったーじゃねえよ。早く入れ。」 白夜が私の頭を叩いた。     
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