第一話 実家の自室の窓から入ってきた阿呆狐

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部屋に戻り、ベッドに寝転がり、天井を見つめる。 「はあ...暇だ...。」 長時間の学習とは誰だって辛い。人間の集中力は最初の10分間しか出てこないため、5時間勉強したって意味は無いらしい。私の場合、いつもはうじゃうじゃと妖が寄ってきて邪魔されたりすることが多く、あまり勉強が頭に入ることがない。しかし構ってもらうのは嬉しくなくない。暇つぶしに遊んだりしている程度だ。時々相談にも載ってくれる、とても良い奴ばかりだ。そんな妖達が今日いないなんて...。 ビュオォォッ!!バリィィン! 「ギャァァァ!!?な、何!?」 ...窓から"何か"が入ってきた。しかも窓ガラスを思いっきり割って。慌てて起き上がり駆け寄ってみる。強風かと思ったが、今日はそんなに天候が悪くない。妖達が帰ってきたようにも思えない。それとは違う"何か"が入ってきた。またしても頭の中に何かがよぎる。これがなんなのか、少しだけわかった。 言えることは、"妖とは違う最も強大な存在"がいること。 さっきよりも尋常じゃない気配を感じる。体中鳥肌が立ち、落ち着きがなくなっていく。ぞわぞわする。怖い"何か"がいる。見たことも無い"何か"が。     
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