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「まさか、まさか投げたティッシュボックスで彼が死んじゃうなんて思わなかったんです!」
私は泣きじゃくりながら駆け付けてきた警官に事情を話した。
ティッシュボックスは彼の後頭部を殴打、打ち所が悪く脳内出血を起こし、彼は死んだ。
気絶から目覚め、起き上がって彼に声を掛けたが返事がなく、仕方なくこたつから一旦出て覗くと、白目を剥き鼻血を垂らす彼の姿を見付けた。
「……だよねー。『まさか』だけど、あの『ティッシュボックス・ケース』は凶器になるよ?投げちゃダメだよー……」
警官は慰めたいのか、呆れているのか判らない気の抜けた声で話かけてくる。
「あれ、木製品でしょ?重量感あるよねー?」
「……はい、彼がどこかに旅行した時のお土産で……」
「よく投げたねー……危ないでしょう」
「う……うわぁぁぁぁっ!」
「あー……はいはい、もっと早く気付いてあげてればねー、助かったかも知れないのにねー……
……運が悪かったなー……」
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