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目が覚めると、そこは屋外階段の踊り場だった。
風間俊彦は、何者かに襲われて、階段から突き落とされたのだ。上着に仕舞っておいた、版画家 大徳路瑞鳳の作品写真のメモリーカードが盗まれていた。
二週間前。
父親の介護と葬儀費用の借金返済に苦しむ南島奈美を、風間は匿う事に。奈美は返済のために、瑞鳳の版画を売却しようとしたが、古物商の伊勢崎甲陽に偽物だと言われる。
奈美は後輩の風間の協力を得て、父親之雅と瑞鳳の二人にかつて何があったのか、調査を開始した。
かつて、父之雅と祖父之清が新潟に信濃川新報社を立ち上げたことがわかる。新報社主催の版画展で瑞鳳を招聘し、また麻雀を通じて極めて親密な間柄になったことも判明。
このとき、瑞鳳は「海底の月」と「河底の月」を之清親子に寄贈している。
これらは唯一遊び心のある作品とされていたが、所在が明らかにされておらず、もし実存すれば数億の価値があるという。
心躍る奈美たちだったが、新報社ビルの管理人大橋正人が事故死する。大橋は瑞鳳の秘密を握っていたとされる人物。
さらに古物商の伊勢崎が消息不明になり、列車の轢死体(自殺か事故死か不明)で発見される。
そんな矢先、風間が暴力団フリーターの毒島に襲われる。毒島は非合法収集家の阿蘇村敏光の手先。阿蘇村の他にも詐欺団、窃盗団、古物商、文部科学省の姦計に翻弄され、ついに命まで狙われる。
なぜそこまでされるのか、わからない奈美たち。
そこで二人はボディガードを雇うことにした。面接を実施、変人オタクが多い中、元海兵隊のマーガレット・スミス、マロン・ハメットを採用する。
奈美たちは、利害関係の組織同士を衝突させて壊滅させる作戦を実施するが、逆にバレてしまい、さらに窮地に立たされる。
ようやく窮地を脱して、研究者の鑑定してもらうことになった。しかし公安警備局が現れ版画を押収される。
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