プレゼントをまよう

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 よく見たら、雅人は今のメッセージを兄弟グループLINEに流している。  進一は、おとうとが出来たタイミングで兄もできた。元々誠人と雅人の二人兄弟だったのが、その真ん中に進一が割り込んだ形だ。籍としては、二人が進一の家に入ってきたのだが。その兄こと誠人と、進一と、雅人の三人のグループである。普段特に話すことも連絡をすることもないグループだが、ときどき誰かが近況をぽつぽつと流したりすることもある。  元々は、三人でショッピングモールに行ったときに、三人で行ったのに行きたいお店がバラバラだったために別行動をすることになり、そのとき連絡用に出来たグループだった。一緒に行ったのなら、自分が用事の無い店でもとりあえず一緒に行くべきなのではないか、と進一は思ったが、誠人と雅人が二人でいるととにかく目立つので、そのあたりを分散させる彼らなりの知恵なのかもしれないとも考えた。しかしあとから聞いたらただ単に自分の興味のない店に行きたくないから、だったらしい。仲が良いなら、興味がなくともついていくものなのかと思っていた進一はますます「兄弟」というものがわからなくなった。  そんなことを振り返っていたら、ぴこん、とスマホの通知が来た。 『あ、そうなんだ。おめでとうだね。何がほしい?』     
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