第1章 ふわふわした足元とぬかるみと

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「起きたら、なんか腹へった。なんか作るから、紫も食べる?」 もそもそと起き出した割にはテキパキと、冷蔵庫からキャベツやベーコンを取り出す蒼ちゃん。 テーブルの上に出しっ放しにした、ホットプレートは洗って拭いたら、テーブルの上に片付け、すっかり定位置になっている。 蒼ちゃんは先に平たいお皿を二枚並べ、生ゴミ用にビニールを広げた。 ボウルに粉を入れて目分量で水を入れ、手慣れた手つきでかき回す。 それを薄く、鉄板の上に広げはじめた。 何を作るのか察した私は、傍らでキャベツを刻む。 「サンキュ。」 蒼ちゃんは、まな板から直接キャベツを掴むと鉄板の上で焼き始める。
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