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ウロの全身からぶわりと膨れ上がった何かに、デイガーはどっと冷や汗が噴き出すのを感じた。同時に、その身体に震えが走る。それは、得体の知れない何かに対する本能的な恐怖だった。
身動きひとつ取れないデイガーに、ウロは小さく首を傾げた後、ああ、と呟いた。
「ごめんね。苦しかったね」
途端、ウロが纏っていた気味の悪い雰囲気が霧散する。
「いやー、あの人のこと考えると興奮しちゃって」
えへへ、と笑うウロは、いつもの彼だ。だがデイガーは、とてもではないがいつも通りに彼に接する気にはなれなかった。
「さ、先に、実験の準備をしておきます」
そう言ってデイガーは逃げるように実験所に入っていったが、ウロはすぐにはそれを追おうとはしなかった。ただ、その背中を見つめて、面の内側で口角を上げる。
「神になって神をも滅ぼす、ねぇ。本当、面白いことを言うなぁ」
嘲るような言葉はしかし、誰の耳にも届くことはなかった。
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